円限寺(えんきりでら)

色欲の為に陥る地獄。程度の差はあれ経験した人は多い。キャバクラで延長延長でボラれ、自分に惚れていると思ったキャバ嬢は実は詐欺師と二足の草鞋、おまけに関係を整理しようとしたら手切れ金まで脅し取られる。

経験は人を成長させるが、懲りないのも人間。時を経て再び獲物に戻っていく。


今日キャバクラへ行ってきました

一人で初めて入った店へ

今日もあの店は人影まばらで

もててるつもりがボラれるのには十分すぎて

つまみ僅かで ボトルすぐ空き

あの日と同じ 雰囲気で

たどり着いたのは 延長寺

 

ちょうどこの席で三文判を

君は突然に取り出して

おねがいこことここしっかり押してとの

契約がとれなけりゃ生きてゆけない

あの日あなたの 二足の草鞋

気が付いたのが 遅すぎて

契約しました 縁起の壺

 

君は今頃お店でしょうか

それとも詐欺的壺売りでしょうか

支払いまではまだ間があるから

こっそりと解約を許してください

人の縁とは 無残なもので

そんな君から高い手切れ金

おさめに来ました 円限寺

 

北海道男(きたみみちお)作