風車弥七とお新のお墓

栃木県から峠を越えて茨城県へ入ってすぐ、常陸大宮の山間の寒村に「風車の弥七」と妻「霞のお新」の墓がある。墓は夫婦の墓守によりよく手入れをされ、敷地には風車が回る。「弥七」のモデルは、松之草村の小八兵衛とされ、盗賊の頭領であったが捕らえられて後に放免され、恩義を感じて水戸光圀の隠密として活躍したということである。

ドラマの「水戸黄門」で演じていたのは「弥七」は中谷一郎「お新」は宮園純子。美しかった。「お新は本当に美人だったのですか?」墓守のおやじさんは「全部この本に書いてある。六百円。」小雑誌を買って読んでみたが、どこにも書いていなかった。

「弥七」は意外に倹約家だったらしく、家の床下に壺を埋めてお金を貯めていたようだ。掘り出された壺が、墓守が商っている土産店に飾ってある。壺の前には暖簾のような幕が垂れていて見ることはできない。

「観たいかい?」

「観たい」

「三百円」

「お金を払うほどなら観なくていい」

「じゃあタダでいいよ」

「?????」

写真まで撮りました。